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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「給与制度を改善しました?」

「給与制度を改善しました?」

先日

ある人材紹介会社の事業部長さんと

ご求人に関する

打合せをさせていただきました。

事業部長:「今回は、当社の給与制度を改善しましたので、求人の依頼をさせてください」

私:「ありがとうございます。給与制度を改善されたとは?」

事業部長:「過去は、当社の給与水準の低さがネックになって

     人材紹介コンサルタント採用がうまく行きませんでしたので

     優秀なコンサルタントであれば、それなりに高年収になるように改善しました」

私:「具体的には、どのように改善されたのですか?」

事業部長:「やればやっただけ、インセンティブを獲得できるように改善しました」

私:「なるほど。インセンティブは当然ですが、ベースサラリーはいかがでしょうか?」

事業部長:「月給30万円から45万円ぐらいの幅で設定しています」

私:「たった?」

事業部長:「たった、とはどういう事ですか?」

私:「人材紹介コンサルタントの皆さんのご家庭にも、毎月の生活があるんですよ」

事業部長:「それはわかりますが、ちゃんと業績を上げて、インセンティブで稼いでほしいですね」

私:「業績を上げたらインセンティブを支払う、というのは当り前の話ですよ」

事業部長:「それはそうですが、ベースを上げると経営的に厳しいです」

私:「だったら、人材紹介事業は止めた方がいいですよ。経営が腹決めてリスクテイクしないと」

事業部長:「そんな事を言うのであれば、競合他社の給与制度はどうなんですか?」

私:「ベースサラリーだけでも生活できる金額を出した上で、インセンティブも支給します」

事業部長:「・・・。それでは勝てませんね」

私:「事業部長も厳しい立場ですね。私も派遣本業の会社での経験があるので、お察しします」

事業部長:「ありがとうございます。なかなか経営者を説得するのが難しくて」

私:「そんな経営者はクビにするか、事業部長ご自身が転職した方がいいですよ」

事業部長:「辛辣なご意見ですが、そのご指摘は本質的ですね」

私:「御社は利益率が低い事業が本業で、人材紹介事業は付け足しだから、苦労しますよね」

事業部長:「本当にそうなんです。人材紹介事業は、上場するための道具に使わています」

私:「そうですよね。だからこそ、事業部長ご自身が転職された方がいいですよ」

事業部長:「そうですね。その際には、武谷さんにご相談します」

このように

人材紹介業より利益率が低い事業が本業であって

人材紹介事業は付け足しみたいな存在なのに

「上場するために、とりあえずやってみる」

というような会社は少なくありません。

低収益事業が

あくまで本業であって

高収益事業の人材紹介事業が

付け足しなんて

経営センスを疑います。

このような会社で

人材紹介事業部長を任せられると

これはもう

「金縛り」 状態で

身動きが取れず

必ず失敗します。

従って

低収益事業の本業と

高収益事業の人材紹介事業とを

別会社として

完全に分離しないと

永久に夜明けは来ないでしょう。

小手先の対策で

給与制度をいじったとしても

人材紹介事業を本業とする

競合他社には

絶対に勝てません。

別会社、別組織、別マネジメント

別の給与制度にしないと

後発の人材紹介事業は立ち上がりません。

もしくは

昔のインテリジェンス(現:パーソルキャリア)のように

主軸事業を人材派遣業から人材紹介業に

スピーディーに繰り替えるという

賢い経営判断が必要ですね。

(本日の1枚:祭本番)

「そのとき

どう動く」                                                みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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