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コラム

歴史と現状、将来性 〜人材紹介業の今昔〜

法的規制緩和や終身雇用の崩壊、企業の雇用に対する意識変化、働く人の意識の変化などによって人材の流動化が加速し、市場規模が急拡大中です。

人材紹介業って何?

一般的には、A:専門的・技術的職業(主にエンジニア)、B:管理的職業(管理職)、C:事務的職業(経理・営業事務・一般事務など)、D:販売の職業(営業・店頭販売・電話営業など)の4つの職業=ホワイトカラーの方々の職業の紹介を人材紹介と呼んでいます。

業界の始まり

昔は、悪徳業者から労働者を保護する為に、職安法において民間企業の職業紹介行為は厳しく規制されており、職業紹介業は原則、国が行う事業とされていました。
ただし、例外として29職種だけは民間の業者が扱うことを許可されていました。

そんななか、昭和39年に例外として、経営管理者(課長以上の人)と科学技術者(理系大卒後5年以上の技術職経験者)の2職種の扱いが許可されました。これをきっかけとして、昭和40年に初の許可事業者が誕生しました。

業界の現状 - ここ数年における大きな変化

1997年と1999年に大幅な規制緩和がなされ、民間事業者による職業紹介は原則自由となりました。
これによって、規制緩和前には全国に約300事業者しかなかった民間の事業所数が、2005年には1万事業所(既に廃業した事業所を除くと推定7000〜8000)を越えるまでに急増しました。規制緩和前の1996年の紹介実績は、労働省への届出ベースの人数で11920人でしたが、2005年には推定約5万人の実績にまで膨張しました。

1年間に約300万人が転職している中で、ホワイトカラーの正社員転職人数は約100万人、その内、人材紹介会社を使って転職している方は約5万人と、まだまだわずかな比率です。

では、人材紹介会社を利用していない人は、どんな方法で転職しているのでしょうか。
主には、下記のような方法が挙げられます。

  1. 家族や知人の紹介
  2. インターネットの求人サイト
  3. ダイレクトリクルーティング
  4. ハローワーク

先進国の中でも、特に日本は規制緩和が遅れたため、求人情報誌や新聞などのペーパーメディアが異様に発展しました。更に現在では求人サイトが急速に台頭してきております。これらの求人メディアの売上を大まかに合算すると約5000億円程度の市場規模があります。

人材紹介業の将来性

現在の正確な市場規模を把握している機関はありませんが、様々な機関が発表する数値から見ると、人材紹介業の現在の市場規模は1300億円程度と考えられます。
ホワイトカラー転職に占めるシェアがわずか5%、求人メディアの市場規模が5000億円という現状から考えますと、人材紹介業はこれからまだまだ伸びていくでしょう。
実際に、現在の1300億円のほとんどが三大都市圏(それも首都圏)での売上であり、その他の地方都市では人材紹介業の存在は、まだほとんど認知されてないのが現状です。現在の米国での市場規模は、約1兆8000億円(登録型・サーチ型・紹介予定派遣含む)です。 そういった事情から、日本の人材紹介業の市場規模は、少なくとも現在の2〜3倍にはなると考えます。

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