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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「人事という仕事をなめるな?」

「人事という仕事をなめるな?」

以前からですが

現役コンサルタントの方から

「人事に転職したい」

というご相談をお受けする事が多いです。

今週もお二人から

同様のご相談をお受けしました。

そして、現役コンサルタントのAさんとの会話は

下記のようなものでした。

私:「今回は、なぜご相談いただいたんですか?」

Aさん:「この1年間、必死で働きました。

     その結果、業績も上がりました。

     ただ、何度目標達成しても

     翌月は再びゼロからの始まりで疲れます。

     こんな仕事の繰り返しで終わりたくありません。

     もっと、自分のキャリアが積み上がるような

     人事職に転職したいと思っています。」

私:「そうですね。

   コンサルタントだけでなく

   営業的な職種はだいたい

   毎月・毎Q・毎年、ゼロリセットですよね。」

Aさん:「そうなんですよ。

     それが不毛な気がします。」

私:「不毛ですか?

   それでは、Aさんがこれまで

   クライアントとキャンディデートを

   結びつけた仕事は不毛ですかね?」

Aさん:「不毛とは言い過ぎですが

     私ではなくて

     最終的には

     素晴らしいキャンディデートのおかげで

     私の業績は成り立っていると感じます。」

私:「それもわかります。

   お客様に感謝ですよね。

   ただ、クライアントとキャンディデートを見つけて

   結びつけたのはAさんの功績ですよね?」

Aさん:「多少はあるかもしれませんが

     毎月ゼロリセットではなくて

     確実にキャリアが積み上がる仕事がしたいんです。」

私:「それは、人材紹介の仕事でも言える事です。

   長く真面目に取り組めば

   確実にキャリアも実績も積み上がります。

   ところで、Aさんは、人事の仕事内容をわかってますか?」

Aさん:「どういう意味ですか?」

私:「コンサルタントより人事職の方が楽だと

   勘違いしていませんか?

   私など、とても人事職をやれる自信はありません。」

Aさん:「どういう意味ですか?」

私:「例えば、人事職に転向すると

   最初は採用担当者などから始まりますよね?

   毎日10人面接して

   毎日同じような質問に答えて

   毎日同じような質問をして

   自分の会社のPRをする。

   そして、せいぜい一次面接の合否判定しかできない。

   最終的な合否は最終面接官や役員会が決める。

   最終決裁権がないのに

   採用担当者には採用人数目標があります。

   それも毎年です。その結果で評価されます。

   Aさんの会社の採用担当の方を見ていれば

   よくわかるはずです。」

Aさん:「確かにそんな感じですね。

     面接ラッシュで疲れ切ってます。(笑)」

私:「ただ、人事は採用だけじゃない。

   他にも、教育や福利厚生や労務や

   組織人事や人事制度構築

   最近は、タレントマネジメントなどと

   もてはやされている仕事もある。

   これって、採用・人事考課(選抜)・教育・配属・組織人事と

   ほとんど同義語ですよ。

   ところが、こんな経営的な仕事に関われるのは

   CHROとか取締役人事部長とか

   ほんの一握りの人だけです。

   そこまで登り詰めるには

   10年・20年スパンで腹をくくって

   仕事に全力を尽くす覚悟が必要です。

   そんな当り前の事は、わかってますか?」

Aさん:「確かに、うちの会社の昇進・昇格や人事異動なども

     どのように決まっているのか?(笑)」

私:「Aさん、更にね、そこまで登っても

   CHROが全て決められるわけじゃないんですよ。

   内閣改造と同じでね、人事はトップの専権事項です。

   最後は、安倍総理が決めるんです。

   会社であれば、最後はCEOが決めるんですよ。

   それには、CHROも意見はできますが逆らえません。

   そんな当り前の事をわかった上で

   人事職に転職したいと言ってますか?」

Aさん:「いいえ、そこまでは。」

私:「人事職は同期の仲間とも自由に話せない事がありますよ。

   社員の評価や給料、人事異動の情報など早く知りますから

   一緒に飲みに行っても、話せない事がたくさんあるんです。

   それでも、何とか会社を良くしたいと思って

   勉強しながら考えながら

   中長期に渡って裏方に徹する事ができる人が人事のプロです。

   おまけに、人事職は少しミスをしたら評価が下がる。

   営業職は敗者復活もあるし

   成功したら会社のヒーローです。」

Aさん:「うーん、10年・20年ですか?

     大変ですね。」

私:「そうです。

   仕事は何の職種でも大変です。

   だから価値があるんです。

   今の仕事が嫌だから人事職に転職したい

   というのは、あまりに軽薄な動機ですから

   もっと深く考えてください。」

Aさん:「そうですね。

     自分なりに考えてみます。」

私:「自分なりにではなく

   世の中を見渡して考えてください。」

「しあわせはいつも

 自分のこころがきめる」                                    みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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