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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「競合他社に転職する社員の見送り方?」

「競合他社に転職する社員の見送り方?」

未経験者の方々はもちろん

人材紹介コンサルタントの方々の

何%ぐらいの人が実態を知っているでしょうか?

私は、ご相談にお越しになる方々から個別にお伺いしていますが

「競合他社に転職する社員の見送り方が

 個々の人材紹介会社によって全然違う」

という事実があります。

大きく分けますと

「性善説マネジメントの会社」 と

「性悪説マネジメントの会社」 という

二つに分けられます。

「性悪説マネジメントの会社」 の会社に勤務する社員は

「済みません。

 大変お世話になりましたが

 この度、競合他社に転職する事になりました。」

と言ったその瞬間

すぐにPCをシャットダウンさせられ

その日の内に追い出されます。

当然、送別会もありませんし

社内で広報もされず

突然、その日に消されます。

例外としては

「絶対に辞めてほしくない優秀な社員」 のケースです。

このような社員に関しては

5回も10回も

引き留め交渉を延々と行い

辞めたいと言う社員を心身ともに疲れさせ

「給料を上げるから辞めるな」 とか

「昇進させるから辞めるな」 とか

「人事異動させるから辞めるな」 とか

子どもみたいな交渉をします。

それでも退職の意志が変わらなければ

最後は、有休消化もさせず

ボーナスや退職金も払わず

会社から、たたき出します。

これは、中小の人材紹介会社に限らず

一定以上規模の会社でも

「性悪説マネジメントの会社」 は

その姿勢を改める事もなく

ずっと続けています。

「自分は正しい。悪いのは社員だ。」

最近の 「吉本興業」 のゴタゴタと

本質は似ているかもしれません。

経営サイドは

「社員を食わせてやっている」 と思っていますが

「実は社員に食わせてもらっている」 のです。

社員に対する感謝とリスペクトが足りないのです。

経営サイドと現場との間の

信頼関係が希薄であり

「金の切れ目が縁の切れ目」

という事です。

必要以上に社員を疑いますし

お金以外で社員を引き留める自信が無いのです。

「クライアントや人材データを持ち出すのではないか?」

「競合他社に転職されると、他の社員にも波及するだろう?」

普段、社員との間に信頼関係を築けていないから

益々お互いに疑う 「性悪説マネジメントの会社」 のバッドサイクルです。

一方、「性善説マネジメントの会社」 の対応は正反対です。

「済みません。

 大変お世話になりましたが

 この度、競合他社に転職する事になりました。」

と、社員が言うと

最初驚いても

その後の対応が全然違います。

マネージャー:「実は最近気になっていたけど

         声をかけられなくてごめんね。

         なぜ転職を考えたの?

         何か不満や理由があったら

         遠慮なく話してくれよ。」

ご本人:「いいえ、不満などありません。

      むしろ、大変感謝しています。

      ただ、自分が将来目指している姿と

      離れていくような気がしまして

      自分のキャリアプランに合致した会社と

      巡り会っただけです。

      勝手を言って、申し訳ございません。」

役員:「そんな事を考えていたのか?

    俺の理解不足と力不足で、申し訳なかった。

    ただ、君のキャリアプランに沿えるように

    上とも話をするから

    もう一度、考え直してくれないかな?」

ご本人:「ありがとうございます。

     温かいお言葉、感謝致します。

     でも、本当に済みません。

     やはり、転職する方が

     自分のイメージに早く近づけると結論を出したので

     大変申し訳ございません。」

役員:「そうか。

    とても残念だけど

    次の会社での成功を祈るよ。

    でも、その気になったら

    遠慮なく、いつでも戻ってきてくれ。」

その後、退職者の引継ぎが丁寧に行われ

盛大な送別会が公式に行われ

お互いに気持ちよく送り出してあげるのです。

それによって、社員も 「後ろ髪を引かれる想い」 で感謝します。

泣きます。

周囲で見ている社員も泣きます。

当然、このような会社は離職率が低いです。

こんな正反対の過酷な退職交渉が

他人の転職を生業にしている人材紹介会社の中で

行われています。

「性悪説マネジメントの会社」 では

慰留されればされるほど

ご本人の気持ちは離れていきます。

そして最後は

ボーナスも有休ももらえず

完全に労基法違反状態での退職となります。

ご本人は、退職交渉に疲れ果て

今更、訴訟を起こす気にもなれません。

皆さん、会社の見極めに気をつけてください。

「我社こそNo.1」 とか

「我社が絶対良い」 とか

競合他社に対するリスペクトのない会社は危ないです。

逆に

「あなたは何がしたいのか?」

「あなたは、どのようにお客様に貢献したいのか?」

「あなたはどうなりたいのか?」

このような問いかけをして

考えさせてくれる会社を

おすすめします。

「ひとの世の幸不幸は

 人と人とが逢うことから

 はじまる

 よき出逢いを」                                   みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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