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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「目先の損得より誠実なアドバイスを」

「目先の損得より誠実なアドバイスを」

先日、人材紹介コンサルタントのAさんと下記のようなお話をしました。

Aさん:「つい昨年、新卒で現在の会社に入社して
     まだ1年もたっていない若い方が
     相談に来られて面談しました。」

私:「へー、まだ23歳ぐらいですか?」

Aさん:「はい、その通りです。
     大変素直な好青年でした。
     転職したい理由も詳しくお伺いしたら
     私にも似たような経験があったので
     彼の気持ちは理解できました。」

私:「どんな転職理由だったのですか?」

Aさん:「学生時代に漠然と
     社会にこんな風に貢献したいと考えていた事があって
     それを実現できると思って、今の会社に就職したんです。
     ただ、それと現実とはギャップがあったんです。
     それは学生時代に産業とか企業に関して
     深く知らなかったから
     わからなかったという理由なんですよ。
     私も昔、そう感じた事があるのでよくわかりました。」

私:「なるほど。
   確かに学生さんが就職活動で見ている産業や企業は
   現実とはかなりギャップがあるかもしれませんね。
   でも、それを事前に知る事も難しいでしょうね。」

Aさん:「そうなんですよ。
     ただ、私は彼の気持ちがよくわかりましたが
     『せめてもう1年頑張れせんか?』
     と言いました。」

私:「Aさんらしいですね。」

Aさん:「まだ若いですし
     今はどこの会社も採用に困っていますから
     無理やり探せば必ず転職できるとは思います。
     でも、それでは彼の願うような転職にはならないでしょう。
     やはり1年未満で辞めてしまうと
     現実的にはマイナス評価されてしまう可能性が大きいですからね。
     とても好青年だっただけに
     ここで考え直して欲しいと心から思いました。
     人材コンサルタントとしてはダメなのかもしれませんが。」

私:「いいえ。
   Aさんの判断は誠実で正しかったと思いますよ。
   いや、正しいか正しくないかではなく
   Aさんはコンサルタントとして当り前の事をしたんだと思います。
   コンサルタントだからこそ
   目先の売上より大切にしなければならない心があるでしょう。」

Aさん:「そう言っていただけると少し安心しました。
     その彼も
     『そうですね。もう少し頑張る事を考えてみます。』
     と言ってくれました。」

人材紹介コンサルタントは、現実に対処する力が大切です。

きれいごとだけでは成り立たないのもビジネスだと思います。

しかし、Aさんのように

ご登録者の方のためを考えて

転職を思いとどまるようアドバイスするのは

単純に 「ご登録者に寄り添う」 という意味ではなく

コンサルタントとしてのプロ意識の現れではないかと思います。

そのご登録者の方が

このタイミングで転職した方が良かったのか、そうではないのか?

絶対的な正解は誰にもわかりません。

ただ、Aさんはその方にとってベターな選択が何かを

誠実に考え自然に伝えたのだと思います。

Aさん自身が

普段から無意識にキャンディデートやクライアントにとってベターな事を

考えて仕事をしてきたからこそなのでしょう。

ご相談に来られた青年にも

きっとAさんの真心が伝わったのでしょう。

一期一会を大切に

温かい心とプライドを持って仕事をしたいですね。

「いちずに一本道
 いちずに一ッ事」                       みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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