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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「人材紹介コンサルタントの仕事の難しさはどこにあるか?」

「人材紹介コンサルタントの仕事の難しさはどこにあるか?」

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の皆さんは

この仕事をしていて一番難しいと感じることは何でしょうか?

私たちの仕事はまさに「エージェント=代理人」です。

最終的な決定権は「クライアント」や「キャンディデート」にあり

私たちはそのサポートをする役目です。

双方が意思決定するために必要な情報を集め提供する事が一番の役割です。

基本的にそこには私たちの考えや思いは存在しません。

しかしながら実際は100%割り切れる話ではないと思います。

先日お会いした人材コンサルタントAさんのお話です。

Aさんはもう10年以上この仕事をしているのですが

過去に早期退職による返金をした事は3回しかないそうです。

私:「これだけ長く人材紹介をやっていて

 短期退職の人がそれだけ少ないのは素晴らしいですね。

 どういう点に気を付けているのですか?」

Aさん:「たまたま運が良かったのだと思うのですが

 変な話、第六感というのがありまして。」

私:「第六感ですか?」

Aさん:「はい、これはうまく行かない。

 進めない方がいいという私の勘です。」

私:「なるほど、何となくわかります。

 しかし、それをどう伝えるのか?

 どういう方向にもっていくのか?

 そこが難しいですね。」

Aさん:「そうなんです。

 あくまでも決めるのはクライアントでありキャンディデートなので

 私が止めた方がいいとか

 そっちよりこっちの方が絶対いい

 と言うのはどこか恣意的ですからね。

 もちろん他社との競合であれば自分の案件を薦めますけれど(笑)。」

私:「それでもやはりAさんが感じた事は

 率直に伝えた方がいいということですね?」

Aさん:「はい、クライアントに対してもキャンディデートに対しても

 最後に決めるのは貴方ですが私はこう思います

 とできるだけ正直に伝えようと思っています。

 その判断が100%正しいかどうかはわかりませんが

 自分の仕事に対して後悔はしたくないんです。」

私:「過去の短期退職の事例で後悔した事はありましたか?」

Aさん:「はい、ありました。

 入社2か月で辞めてしまった部長クラスの方がいらっしゃったんです。

 その時は面接時から私は違和感を感じていました。

 どこがと言われると難しいのですが、予感はしていました。

 でも歳も自分よりずっと上の方でしたし遠慮もありました。

 あの時もう少し熟慮するように促すとか

 もっと多くの情報を引き出して相手に伝えられていたら

 判断が違っていたのではないかなと後になって思いました。」

Aさんのお話を伺って

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の仕事の難しさというのは

まさにこのあたりにあるのではないかと思いました。

恣意的ではなく

あくまでもエージェントの立場から冷静な意見や判断をしてお客様にお伝えする。

時には、採用や転職を思い留まっていただく。

そして時には自分の意見も伝えながら

最終的に当事者がベストな判断をしていただくために

人材コンサルタントができる最大限の事をする。

仏教の世界では「中道」という言葉があるそうですが

これは「右でもなく左でもなく、かといって真ん中でもない道」だそうです。

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の仕事は

この「中道」のように偏ることなく

顧客に寄り添う仕事なのではないでしょうか?

そう考えると実に奥深くバランス感覚が必要な仕事ですね。

「生きていて

 よかった

 生かされてきて

 よかった

 あなたに

 めぐり

 逢えたから」             みつを

 

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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