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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「応募者をナンパする人材コンサルタント?」

「応募者をナンパする人材コンサルタント?」

Aさんは20代後半で
明るく元気でとても素敵な女性です。

面談でもその後のやり取りでも

いつも気持ちのいいコミュニケーションができる方でした。

短いながらも人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)

としてのご経験や実績もあり

いくつかの企業をご紹介させていただきました。

さすが、応募した全ての企業から面接のお話があり

内定も複数で獲得されました。

最終的には

当初から一番関心の高かった企業の内定を受諾してご入社されました。

私:「このたびはおめでとうございます! 

 X社さんもAさんを採用したかったようで

 最後まで残念がっておられましたよ。」

Aさん:「そうでしたか。

 とてもありがたいことです。

 X社さんも仕事の内容など大変興味を持っていたのですが

 選考の過程でちょっと引っかかる事がありまして・・・。」

私:「何があったのですか?」

Aさん:「あくまでもここだけの話にしていただきたいのですが・・・。」

私:「ええ、大丈夫ですよ。」

Aさん:「面接をしてくださったX社のマネージャーさんが

 一次面接の後も携帯電話に直接度々連絡してこられたんです。

 最初はありがたく好意的に受け止めていたんですが

 そのうち頻繁になって

 食事でも一緒にどうですかとか

 近くまで来たので会えないかとか

 非常に個人的な感じになってきたんです。」

私:「え!!

 本当ですか?

 それはかなり問題ですね。」

Aさん:「ただ、私が自意識過剰だと思われるのも嫌ですし

 同じ業界で今後どの会社さんとつながりが出来るかもわかりませんから

 できれば事を荒立てるようなことはしたくないので

 このお話はここでとどめていただきたいのです。」

私:「わかりました。

 でも嫌な思いをされましたね。

 気づいて差し上げられなくて済みませんでした。」

Aさん:「私はあまり気にしないタイプなので大丈夫なのですが

 それでも履歴書を提出して現住所なども記載していることを考えると

 正直少し怖い気持ちもしました。」

私:「おっしゃる通りですね。

 応募書類の個人情報を採用以外に使うなど

 あってはならないことです。

 今後もし何かあれば遠慮なくおっしゃってくださいね。」

少々驚きの話ですが、こんなことが実際にありました。

そもそもエージェントを通じてご応募されている方に対して

無断で直接連絡することも問題です。

本来、企業と求職者は同等の立場で向かい合うべきですが

それでも採用面接の場面では

選考に不利になることを避けたいと考える個人は弱い立場になってしまいます。

そうした立場を利用して

個人的な欲求で行動を起こしたり

個人情報を悪用するような人は面接官の資格はありません。

言語道断です。

X社の社長さんは

おそらくこの事実をご存じないでしょう。

本当はX社のためにも事実をお伝えした方が良かったのだと思うのですが

今回はAさんの立場や名誉を守るために

ご本人の希望通り沈黙を守りました。

勿論こんなことは滅多にありませんし

あってはならないことですが

万一のトラブルを未然に防ぐためにも

応募者への連絡方法や個人情報の取扱い

面接官の関わり方について

社内でしっかりルールを作り

面接官一人のブラックボックスにならないよう

チェックできる体制にすることも必要でしょうね。

この事件以降、当該クライアントへのご紹介はストップしました。

だいたい応募者をナンパしますかね?

Aさん、申し訳ございません。
嫌な事を思い出させてしまいましたね。

誠実で立派な社長さんのもと

益々のご活躍とご多幸をお祈り致します。

「なみだで洗われたまなこは

 きよらかでふかい」                      みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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