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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「成功報酬をキックバックしろ?」

「成功報酬をキックバックしろ?」

以前、人材紹介業界で著名な社長さんから、下記のようなメールをいただきました。

「武谷さん、もしよろしければ今度ブログに書いていただきたいことがあります。
たまに候補者さんから、転職がきまったらキックバックして欲しいといわれることがあります。
法的にはおそらく問題ないと思うのですが、
ご馳走するというのとキックバックするというのは違うと思いますし、
さらには折半して欲しいという意見なども聞いたことがあります。
このようなことはどうなのでしょうか。
自分はどうも違和感があります。
また借金など背負っているのか?など思うこともあり、
過去に借金を背負っていたという人もおりました。
他の人材会社ではそんなことやっている会社もあるよなどともいわれたのですが、
本当にあるのでしょうか?」

この業界もここまで来ましたか?

キャンディデートが人材紹介会社にお金をせびるとは・・・・・。

私も大いに違和感がありますし、金品の供与はしません。

要するに

「俺が決まったら、成功報酬の一部もしくは半分をよこせ!!」

と言うわけです。

推測ですが、ある人材紹介会社が、

「うちから入社すれば転職お祝い金を●●万円あげますよ。
だから、他の紹介会社ではなく当社経由で決まってください。」

と言っているとしましょう。

それでもうけた人が、友人・知人にその話を伝えると、あっと言う間に広がります。

「もらえたらラッキーだし、とりあえず言ってみよう!!」 と思う人も時にはいるでしょう。

ちゃんと労働局や人材協に聞いてみないといけませんが
昔は 「懸賞募集の禁止」 というものが職安法で明示されてました。

要するに「懸賞」=「金品」で人材募集を行ってはならないという事ですね。

昔はそんな事を言っていたのに
以前に転職サイトで「転職お祝い金をお支払いします」
という広告を見て大変驚いた記憶があります。

入口の登録段階で払わなければ
転職先決定後に懸賞金を払うのは良いのでしょうか?
結局、お金で引っ張るのなら意味としては同じような気がするのは私だけでしょうか?

私も決まった人は極力全員お誘いして
お食事をご一緒しますが
それと直接的な金品の供与は違うと思います。

これは法律の問題なので、とりあえずこの辺で置いておきましょう。
知らない内に法改正されたのかもしれないし。
ちゃんとした機関に聞くべきですね。

(東京労働局に問い合わせました)

・結論は 「各々の人材紹介会社の運用に任せる」 との事です。
・登録段階で、「当社経由で決まった場合は、『転職お祝い金』を●●万円差し上げます。」
という規定を説明して、実際にお支払いするのは構わない。
・これは、各人材紹介会社の登録者募集施策の範疇であり、各社の運用に任せる。
・金額の大小は、社会通念上常識の範囲内であることが望ましい。
・逆に、転職お祝い金の規定を設けていない人材紹介会社は、支払う義務は無い。
*しかし、懸賞募集(登録段階で金品を供与すること)に関しては禁止する。

今回の 「俺にも金をよこせ!!」 と言うのは別の意味も含んでいます。

「人材紹介会社は、一人決まれば年収の25~35%ももらっているらしいぞ。
そんなに多額なお金が動くなら
転職当事者の俺たちも幾らかはもらってもいいよな。」
という心情的な背景もあるでしょう。

年収1000万円の人なら300万円の成功報酬ですから
「100万円ぐらい俺によこせ!!」
と思うのも人情かもしれません。

まして、借金があるとか
彼女と海外旅行に行きたいとか
車を買いたいとか
色々な欲求があるでしょう。

ただ、私や私たちの仲間の多くは、金品の供与はしません。

理由ですか?

「キャンディデートはあくまで人間で、金品ではないからです」

加えて、

「私たちはキャンディデートを金品として扱っておりません」

自分の転職で金品を要求する人は 「自分は金品だ」 と認めているのと同じです。

自らを貶める行為だと思います。

もちろん、金品を供与する人材紹介会社も同様です。

私はキャンディデートに 「成功報酬をキックバックしろ」 と言われた事はありません。

むしろ、皆さんにお気遣いいただき

「この度は転職活動を支援していただき、ありがとうございました。」

と菓子折りをお持ちいただき恐縮する事が多いです。

昨日も関西からわざわざ菓子折りをお持ちいただきました。

「成功報酬をキックバックしろ」 と言うような話は例外的な事例だと信じます。

「かねが人生の
 すべてではないが
 有れば便利 
 無いと不便です
 便利のほうがいいなあ」                     みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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