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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「銀座の寿司屋」

「銀座の寿司屋」

 

 

 

一昨日は家内の誕生日だったので、清水の舞台から飛び降りるつもりで

 

 

 

高くて有名な銀座の寿司屋に行った。

 

 

 

こんな高い店は生まれて初めてだ。

 

 

 

まあいい。結婚10年だから奮発しよう。

 

 

 

寿司だけならまだいいが、私たちはワインもがぶ飲みするので料金がかさむ。

 

 

 

小心者なので心配だ。

 

 

 

事前に予約の電話をして、根掘り葉掘り聞いたので、電話のおばさんに笑われた。

 

 

 

私:「初めてなんですが、つまんで飲んで握ってもらって7~8万円ぐらいですか?」

 

 

 

おばさん:「うーん、それは何を注文されるかにもよりますしね。」

 

 

 

私:「例えば、つまみってどれぐらいですか?」

 

 

 

おばさん:「うーん、一品でも5000円以上するんですよ。」

 

 

 

私:「えー!!

 

  わかりました。

 

  それはやめときます。

 

  じゃあ、つまみを含めたコースみたいのはあるんですか?」

 

 

 

おばさん:「はい。もちろん、松竹梅ありますよ。

 

      こちらの方が安心だと思います。」

 

 

 

私:「ありがとうございます。

 

  ではそちらでお願いします。」

 

 

 

というわけで、一番リーズナブルなコースを予約した。

 

 

 

現地待ち合わせで19時に寿司屋に入ると既に満席で大盛況。

 

 

 

かなり大きな寿司屋なのに既に満席とは?

 

 

 

周囲を見渡すと、明らかに金持ち常連客が多そうだ。

 

 

 

客がはめている時計が違う。

 

 

 

ロレックスはカローラみたいで、パテックフィリップ(世界最高峰のスイス時計)もちらほら。

 

 

 

腕にベンツを巻いて歩いているようなものだ。

 

 

 

この空間だけバブル絶頂期みたいだ。

 

 

 

多分初めてなのは、私たちと外国人観光客ぐらいだ。

 

 

 

すぐに家内も来た。

 

 

 

板前さん:「いらっしゃいませ。

 

       本日はありがとうございます。」

 

 

 

私:「いつもこんなに混んでいるんですか?」

 

 

 

板前さん:「今日は月曜日ですから、これでも出足が遅い方なんですよ。」

 

 

 

私:「へー、すごいですね。」

 

       

 

板前さん:「まず、お飲み物はどうされますか?」

 

 

 

私:「わ、ワインリストはありますか?」

 

 

 

板前さん:「はい、承知致しました。

 

       梅さんにワインリスト!!」

 

 

 

私:「それじゃ、このシャンパンのハーフボトルをお願いします。」

 

 

 

板前さん:「はい、承知致しました。

 

       失礼ですが、今日は何かの記念日ですか?」

 

 

 

家内:「はい。

 

    私の誕生日と結婚10年です。」

 

 

 

板前さん:「そうですか?

 

       そんな大切な日に当店をお選びいただき、誠にありがとうございます。」

 

 

 

家内:「こちらこそ!!

 

    いつか来たかったので嬉しいです。」

 

 

 

私:「相変わらず調子いいな。」(黙)

 

 

 

お通し、つまみ、お椀、握り、デザートのような順番で出てきたと思う。

 

 

 

シャンパンのハーフボトルはあっという間にあけて、次は一番安い白ワインのボトルを飲んだ。

 

 

 

板前さん:「飲むのも食べるのもペースが速いですね。

 

       こんな速いお客さんは珍しいですよ。」

 

 

 

私:「済みません。

 

   貧乏なのでゆっくり飲んだり食べたりできないんです。」

 

 

 

家内:「ははは、これがいつものペースなんです。」

 

 

 

それにしても横の三人組の中のおやじがうるさい。

 

 

 

アラカルトでバンバンつまんだり、握らせたりしている。

 

 

 

一体いくらかかるんだと、こっちが心配になる。

 

 

 

明らかに社長だ。

 

 

 

50代の板前さんをお前呼ばわりしているし、よくTVにも出るご主人もからかっている。

 

 

 

社長:「ここの寿司はまずいけど仕方なく来てやってる。

 

    こいつがここの主人や。

 

    こんな小さいのに偉そうにゴルフはせこくてうまい。

 

    どや、横のお客さん、ここの寿司は美味しいか?」

 

 

 

家内:「はい、とっても。」

 

 

 

社長:「おかしいな。

 

    俺たちにだけに、まずい寿司を出してるんやろう?

 

    ためしに隣のお客さんにも、このまずい卵焼きをあげて。」

 

 

 

私:「えー!!

 

   そんな申し訳ないですよ。」

 

 

 

社長:「ええねん。

 

    食べてもらって正直な感想を聞かせてもらえますか?」

 

 

 

家内:「とっても美味しいです!!」

 

 

 

私:「相変わらず調子がいいな。

 

   正直甘いだけで美味しいとは思わないな。」(黙)

 

 

 

驚いたのは、板前さんがつまみを作ったり握ったりしながら、ワインのお酌もしてくれる。

 

 

 

ぞれもお客さんと常に話しながら、実に手際よくやっている。

 

 

 

寿司屋の板前さんと言うよりエンターティナーだと思った。

 

 

 

社長:「こいつな、この店のナンバー2で調子に乗っとるんや。

 

    年収も1千何百万円ももらって。」

 

 

 

いやー、これぐらいお客さんあしらいが上手なら、それでも年収安いでしょうと思った。

 

 

 

横の三人組は、食品メーカーの経営者だったようだ。

 

 

 

その三人がいなくなって、代わりに外人三人組が入ってきた。

 

 

 

そしたら、板前さんがいきなり英語を話し始めた。

 

 

 

イタリア人だった。

 

 

 

私:「ボナセーラ!!

 

   グラッチェ!!

 

   ペルファボーレ 『まぐろ』!!」

 

 

 

この辺になるとかなり酔っていたのではっきり覚えていない。

 

 

 

その後も板前さんやご主人が、箸の使い方や寿司の食べ方を英語で説明していた。

 

 

 

:「ここは寿司のテーマパークだな。

 

   寿司屋さんと言うより日本の代表的な観光地だ。」(黙)

 

 

 

もっと美味しい寿司屋さんは、三分の一の値段でもある。

 

 

 

だから、そこが純粋な寿司屋さんで、ここはテーマパークなのだ。

 

 

 

まあ、一生に一回ぐらい、こんなテーマパークもいいだろう。

 

 

 

十分堪能させていただきました。

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

 

今日からまたインスタントラーメンで生きていきます。

 

 

 

「うつくしいものを美しいと思える あなたのこころがうつくしい」   みつを

 

 

 

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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