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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

利益さえ出せば上場させていいのか?

「利益さえ出せば上場させていいのか? 経営者の人格や事業内容は審査しないのか?」

これは昔から疑問に思っている事だ。

「職業に貴賎はない」 と言うものの、明らかに犯罪スレスレの黒に近い灰色のビジネスをやっているとか、

上場企業が社会の公器だと考えた時に、経営者の人格が一般人から見てちょっとおかしいとか

そんなの1時間も話せばわかるだろうが!!

主幹事証券会社とか、監査法人とか、上場審査機関は、一体何をやってるのか? 何を見ているのか?

形式的な課題がクリアされて、手っ取り早く上場させて儲かればいいのか?

そう思ってやっているとしたら、そんな仕事は不要だ。

ここに象徴的な記事があるので、日経ビジネスオンラインから抜粋する。

SFCGの暴走を許した利害関係者たち

月給30万円の役員が刑事責任を問われる可能性も

「ここまでくると、もはやマンガである。

 「松濤の豪邸は妻が代表を務める会社名義で、1カ月当たり1525万円の家賃をSFCGが負担。昨年10月からは3150万円に引き上げ」「昨年8月から大島(健伸)氏の役員報酬を月額2000万円から9700万円に引き上げ、他の役員は一律30万円」「民事再生申し立て前の4カ月間に、約2670億円相当の資産が大島氏の親族企業などへ無償や格安で譲渡」――。

 商工ローン大手SFCG(旧商工ファンド)の破産手続き開始決定の記者会見に臨んだ破産管財人である瀬戸英雄弁護士は、「極めて悪質な財産隠し」であるとし、特別背任や詐欺再生の疑いで、大島健伸氏ら旧経営陣の刑事告訴も検討する方針であることを明らかにした。

 それにしても、特別背任や詐欺倒産の疑いがかかるリスクが最も高い倒産直前に、これだけのことをやってのける大島氏の腹の座りっぷりは超人的だ。

 過去、特別背任の罪に問われた一流企業のエリートは数多い。逮捕・勾留時に小菅の東京拘置所で受ける屈辱的な身体検査で、大抵のエリートは決定的とも言えるほどの精神的ダメージを受けるというのはよく知られた話だ。

 たとえ無実であっても、そして後に起訴されるか否か、無罪になるか有罪になるかにかかわらず、逮捕・勾留に対する恐怖は並大抵のものではないのが普通の人間である。大島氏はその恐怖とは無縁の人なのかもしれない。」


皆さん、どう思いますか?

SFCGとは元の商工ファンドだ。日栄と共に中小企業に対する高利での過剰融資と取り立てに

ついて社会的問題になり、代表者に対して国会での証人喚問も行われたと思う。

その後は、ご存知のように社名変更して生き残り、昔ほど派手にはできなくなったであろうが、

内容は変わらず事業者金融業を営む東証一部上場企業として営業してきた。

上記の記事に書かれてあるような、常人ではないから、このような異常な企業を一部上場までに

できるのだろう。

昔、リクルート人材センター時代に、他の営業マンがこの会社を担当していた。

まだ、ベンチャー企業と言えるワンマン企業だったが、何やら儲かっているらしく、

B-ingには毎週複数ページ掲載するわ、人材紹介の求人依頼も常時大量にあり、

確か当時100名以上入社して、100名ぐらい退職したと記憶している。

今ならこんな取引は考えられない。即刻取引停止だ。

恐ろしいほど定着率が悪かった。

「これはさすがにまずい!!」と、途中から慌てて、B-ingは掲載不可にしたり、

人材紹介サービスも取引停止にした。

この頃から、退職者の理由を聞くと、代表の大島氏の性格や言動に行くつくのだ。

私もこの会社の複数の経営幹部の転職相談を受けた事があるが、大島氏への恐れや忠誠心は

並大抵のものではない。

閉鎖社会で加えられる圧力によって、狂気に近い感覚になっている。

逆に忠誠を尽くさない人、大島氏に好かれない人は、本社に呼ばれる事はなく、

地方の支店で連日の融資先開拓と、若い部下の尻たたきに明け暮れ、本部からは

バカだのカスだのとののしられて、若くして辞めていく。

人材紹介会社も、証券会社や監査法人同様、このような異常な会社と取引してはいかん。

「常人ではないから、一代で東証一部上場までさせる力量があるのだ。

このような事業者金融によって、救われた中小企業も数多い。

全てが悪いわけではない。」という人がいる。

私も同感だ。一つの時代の必要悪であったのかもしれない。

しかし、最後の 「極めて悪質な財産隠し」 が、この大島氏が社会に対して何らかの

持論を訴える価値の無い人間である事を証明している。

もっと、構造的な事を指摘するなら、日本の銀行が機能していないから、このような

めちゃくちゃな会社が大きくなるのだ。

「晴れたら傘を貸しに来る 雨が降ったら傘を取り戻しに来る」


日本の銀行は、こう言われて久しい。

自分だけリスクを侵さない。

自分が危ない時は、国民の税金で助けてもらう。

日銀ゼロ金利政策で大儲けしても
、その利益は国民に還元される事はない。

財務諸表は読めても、経営や事業がわからないから、融資対象企業の将来性を判断できない。

銀行が本来の機能を果たせば、元々SFCGなど不要な会社だった。

銀行と監督官庁の罪は重い。

折角、毎年優秀な人材が数多く入行しているのに惜しい。

しかし、「つぶれないから銀行に入る」 そんな人間がマジョリティーだとしたら優秀でも何でもない。

偏差値だけ高いバカだ。


喝!!

合掌。

※弊社HP↓。

http://www.agent-shokai.jp/

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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