ホーム > 社長ブログ > 「キャッシュフローを改善しなさい」

社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「キャッシュフローを改善しなさい」

「キャッシュフローを改善しなさい」

リクルートからJACリクルートメントに転職をして

一番インパクトがあった事かもしれません。

大企業のリクルートは

クライアントとの人材紹介契約時に

「支払いサイト」 など、ほとんど気にしません。

クライアントも日本企業が多いので

「御社も末締めの翌月末払いですよね?

 承知致しました。

 ありがとうございます。」

という、ゆるーい感じで、支払いサイトに関する交渉はほとんどしません。

ところが、JACリクルートメントに転職して

グループ創業者の田崎忠良最高顧問に

唯一指摘され叱られた事は

その 「支払いサイト」 の件でした。

田崎さん:「君たち、当社の契約では

       FEEの支払いは入社後2週間以内だよね?

       それが2倍の28日もかかってるって

       ちゃんと厳しくマネジメントしてるの?」

私:「そんな2週間以内なんて言われても

   最大手のリクルートでは

   当月末締めの翌月末払いがほとんどですから

   事実上、入社後60日後の支払いですよ。」

田崎さん:「武谷君がいた大会社はそうかもしれないけどね

       うちのような成長企業では

       資金繰りが最大の問題なんだよ。

       『黒字倒産』 って知ってるよね?

       会社は黒字でも、資金繰りが回らないと倒産するんだよ。」

私:「はい、確かにそうですね。

   ただ、2週間以内に支払ってくださいという交渉は厳しいですね。」

田崎さん:「武谷君、君は知らないだろうけど

       それは日本特有の非常に旧い商慣習だよ。

       当社は、外資系の世界的エクセレントカンパニーと何社も取引しているけど

       2週間以内の支払いサイトの件で、もめた事はほとんどないんだよ。

       優れた企業ほど、お金払いがいいんだよ。」

私:「そうなんですか?」

田崎さん:「それじゃ、支払いの早い会社の社名リストをよく見てよ。」

私:「確かに、世界的エクセレントカンパニーばかりですね。

   それから圧倒的に外資系企業が多いですね。」

田崎さん:「そうでしょう。

       そんな事だから、フォーチュンのTOP100社に

       日本企業はほとんど入ってないんだよ。

       あのね例えば

       ある製造メーカーが

       毎月決まった材料メーカーから

       材料を仕入れるというように

       決まった期日で決まった量を決まった会社から仕入れる。

       そのような取引慣行が多い日本企業だから

       末締めの翌月末払い、なんて事になるわけです。」

私:「なるほど。」

田崎さん:「ところが、当社の人材紹介業というビジネスは全く違うでしょう?

       毎月同じエージェントから、毎月同じ人数が決まる?

       そんな事ないでしょう?」

私:「おっしゃる通りです。

   毎月全然バラバラです。」

田崎さん:「そうなんだよ。

       決まった量とか金額の取引じゃないんだから

       ちゃんとそれを話して交渉して

       クライアントでイレギュラー処理をしていただき

       2週間以内にお支払いいただくように交渉しなさい。」

私:「なるほど。」

田崎さん:「メンバーには難しい交渉かもしれないから

       武谷君、君が直接行って交渉しなさい。」

私:「承知致しました。」

田崎さん:「企業の経営にとって

       資金繰りは最も重要な問題なんです。

       わかってくれたよね?」

私:「はい、承知致しました。」

今になって、自分が零細企業を経営してみると

田崎さんのご指摘が身に沁みますね。

貴重な事をお教えいただき

誠にありがとうございました。

「おかげさん」                                                みつを

合掌。

記事の一覧に戻る

コンサルタントによる転職相談
ご登録はこちら

プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

カテゴリー

アーカイブ

このページのトップへ