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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「人材コンサルタントをエージェントと呼んでもいいの?」

「人材コンサルタントをエージェントと呼んでもいいの?」

最近、人材紹介会社 または 人材紹介コンサルタントの事を

「エージェント」

と呼ぶ事が多いですね。

エージェントの意味を調べると

「代理人や代理店。また、仲介業者」

と書かれています。

実際、日本では人材紹介会社も含め

多くの仲介業もエージェントと呼ばれています。

ただ、厳密なエージェント(=代理人)の意味は

仲介業とは少し異なる感じがしませんか?

例えば、大物スポーツ選手のエージェントを想像していただくと

分かりやすいと思います。

彼らはクライアントであるスポーツ選手の代理人として

移籍先のチームなどと、年俸など諸条件の交渉をします。

あくまでもクライアントであるスポーツ選手の意向を最大限考慮し

クライアントにとって有利な条件を獲得する事が仕事です。

しかし我々、人材紹介コンサルタントは

クライアントである求人企業の意向に沿って

人材を探し応募意欲を喚起してご紹介しますが

特殊な二面性を持っていますね。

それは、クライアント企業のエージェントであるのと同時に

キャンディデート(登録者・応募者)個人のエージェントでもあるからです。

従って、完全にクライアント・ファーストのスポーツエージェントなどに比べて

もっと中立的な立場でありますし

ある意味で中途半端な立場でもある、と言えます。

ヘッドハンティングやリテインドサーチであれば

あくまでクライアント・ファーストですよね。

クライアント企業のために

キャンディデートを探し何度もふるいにかけて

口説き落とすという明確なスタンスを持っています。

このように、クライアントの意向のみを軸に動くエージェントに比べ

我々、人材紹介コンサルタントの仕事は

クライアント企業とキャンディデートとの間に入る調整役的な面があり

その時々で、両顧客に対する寄り添い方もイーブンではないですね。

両顧客の状況次第でクライアント寄りになったり

キャンディデート寄りになったりする事があります。

それは、両顧客を円滑に成約に結び付けるための

交渉術だと言えるかもしれません。

この事は、皆さんも実際に仕事をされている中で

リアルに体感されているでしょう。

一方から聞いた事を

もう一方にそのままに伝えるかどうかも

その時々の状況次第で考慮・判断して

言葉やニュアンスを変えて伝える事も多々あると思います。

特に難しいのは

両顧客のご希望条件のズレやネガティブ情報が

出てきた時の対応ではないでしょうか?

例えば、クライアントから選考中のキャンディデートに関して

「当社としては、面接の中でこういう面が気になったのですが
 貴方はエージェントとしてどう思いますか?」

と意見を求められ

自分もキャンディデートに対して同様の印象や感想を持っている場合

皆さんはどのように答えていらっしゃるでしょうか?

逆に、キャンディデートから

クライアント企業のネガティブ情報に関して意見を求められた時は

どのように答えていらっしゃいますか?

「このように答えるのが正解です」 という

解答があるわけではありません。

ただ、多くの人材コンサルタントは

ある程度のネガティブ情報も認めた上で

ポジティブ情報にも目を向けるように

話を進めていらっしゃるのではないでしょうか?

嘘はつかず、できるだけ自然にニュートラルにです。

一方、クライアントのためだけに交渉を行うエージェントであれば

クライアントのネガティブ情報は極力払拭しながらも

「そういう経営課題があるからこそ、貴方が必要とされているんですよ」

というように、ポジティブな方向に話題転換してしまうかもしれません。

とにかく、クライアント・ファーストです。

しかし、なかなかそうならないのが

我々、人材紹介コンサルタントの仕事ですね。

ビジネスモデル上のクライアントはあくまで求人企業で

もう一方は、お金をいただかない個人顧客でありますが

我々は双方のエージェントでもあるからです。

両顧客の状況次第で柔軟に動き、変幻自在である事を求められます。

物事を客観的に見て冷静に判断をする必要もあります。

しかし、その中で個々のコンサルタントによって

考え方や対応に個性があり違いがあるという部分も

大変興味深い一面だと思います。

そういう意味では人材紹介コンサルタントという仕事ほど

個人裁量の幅が広く、コンサルタントの人間性が出る仕事も

少ないかもしれませんね。

「ほんとうのことが
 いちばんいい」                              みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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