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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「俺の会社にために死ぬんじゃない!!」

「俺の会社にために死ぬんじゃない!!」

先日、昔の上司のAさんと飲んだ時の話です。

今は、人材紹介会社を経営しています。

私:「最近、どうですか?」

Aさん:「もう、俺の代わりに経営をやってもらったり

     俺のお客さんを徐々に引き継いで

     皆にどんどんやってもらうよ。」

私:「そういう事を考える時ですか?」

Aさん:「いつまでも俺がやってしまうと

     社員が次のステップに上がれないしな。

     俺は俺で好きな事をやるよ。」

私:「他にやりたい事があるならいい事ですね。」

Aさん:「そう言えば、XもYも

     武谷(たけや)から紹介してもらったんだよね?」

私:「はい、そうです。

   お二人ともお元気ですか?」

Aさん:「去年は二人とも稼ぎ頭でさ

     俺より年収高いよ。」

私:「そうですか。

   二人とも優秀だし頑張り屋ですもんね。」

Aさん:「うん、頑張るのはいいんだけどな

     頑張り過ぎてもな。」

私:「何かあったんですか?」

Aさん:「うん、Yはご不幸があってな

     本当にかわいそうだったよ。

     だからな、しばらく会社なんかに来なくていいぞ、と言ったんだけど

     『自宅にいる方がつらいです。出勤させてください。』

     と言うから、出勤だけしてもらったよ。

     やっぱり、数か月は仕事にならなかったみたいだけど

     最近は少し立ち直って来たから

     その内、本来のYの実力が出てくると思うよ。」

私:「そうなんですか・・・。

   それは大変でしたね。」

Aさん:「うん、仕事なんかより家庭の方が全然大事だろう?

     だから、『仕事の事なんか気にするな』 と言ったんだけどな。」

私:「そうですね。

   でも、Yさんが立ち直りそうで良かったです。

   ところで、Xさんは病気で入院してましたね?

   大丈夫ですか?」

Aさん:「大丈夫じゃないよ。

     今回で2回目だからな。」

私:「えー、そうなんですか?」

Aさん:「だから、強制的に午前中は出勤禁止にしたよ。

     出勤すると、どうしても仕事してしまうだろう?

     だから強制的に禁止にした。」

私:「そうですか。

   Xさんはバリバリ仕事しますもんね。」

Aさん:「だからな

     『この会社は俺の会社だぞ。

     お前な、他人の会社のために死ぬんじゃない!!』

     と言ったんだよ。

     俺が自分の会社のために死ぬのは仕方ないけどな

     社員が俺の会社のために死んだらあかんやろ?」

私:「・・・、なるほど。」

Aさん:「他人の会社のために命かけたらいかんよな?」

私:「はい、そう思います。」

Aさん:「今日は久しぶりにうまい酒だった。

     ありがとう。

     そろそろ帰ろうか?」

というような会話をしました。

「俺の会社にために死ぬんじゃない!!」

という言葉が

ずっと私の中で響いていました。

「やっぱり、懐(ふところ)の深い人だな」

としみじみ思いました。

昔、この元上司のAさんがまだ20代だった時

人生の大先輩と言うか大先生のNさんにお誘いいただき

新橋の渋くて美味しい焼き鳥屋さん

「ほさか」 に連れていっていただいた時の会話を

思い出しました。

N先生:「うちには将来を嘱望されている若手のホープが三人いる。

     誰の事かわかるな?」

私:「はい、何となくわかります。

   ただ、その三人の中で親しみはあるんですが

   渋すぎてわかりにくい人がいるんですけど

   Aさんって、どんな人でしょうか?」

N先生:「A君か・・・。

     うーん、A君はな・・・。

     懐(ふところ)の深い男だよ。」

22歳だった当時は 

「懐(ふところ)が深い」 という意味がよくわからなかったのですが

最近やっと少しわかるようになった気がします。

N先生、最上級の誉め言葉だったんですね。

「俺の会社にために死ぬんじゃない!!」

そんな事を言える経営者はどれぐらいいるだろうか?

沁みるな。

「おかげさん」                            みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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