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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「市場価値という名のむなしき相対比較」

「市場価値という名のむなしき相対比較」

数は少ないのですが

時々、就職活動中の学生さんからメールでご相談を受けることがあります。

その中で、ここ最近よく耳にするのが「市場価値」という言葉です。

例えば

「A業界とB業界で内定を貰っているのですが、数年後転職する時どちらの方が

市場価値が高いでしょうか?」

「人材紹介業のようなサービス業と

製造メーカーでキャリアを積むのとでは

どちらが市場価値や市場評価が高いのでしょうか?」

という具合です。

そもそも「市場価値」とは何なのでしょう?

給料がいいということでしょうか?

転職するのに有利だという意味でしょうか?

世間的に知名度が高く「良い会社だ」と言われることでしょうか?

この言葉は

我々人材ビジネスに携わる人間が

作り出したものではないかと思うのですが

自分にとって働くことの価値や意味を見出さないまま

この言葉を乱用することに疑問を感じます。

「市場価値」が高ければどうなのでしょうか?

自分の「市場価値」を上げてどうしたいのでしょうか?

仕事とは自分が幸せな人生

より充実した人生を送るために必要なものであって

世間相場で相対比較する対象ではないと考えます。

個々人のキャリアの評価は

その結果ついてくるものであって
相対比較の市場価値を上げるために選択する事とは違います。

そんな馬鹿げた相対比較ばかりしてどうするのでしょうか?

まだ若い学生さんたちからのこのような質問を目にするたびに

人材紹介ビジネスに携わる我々の功罪を感じます。

社内で「この人は売れるね・売れないね」などと言っている

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)もいるので

「市場価値」などと言う言葉が伝染するのではないかと。

職業選択は大切なことではありますが
本当に大切なのは

「何を選ぶかという事よりどう生きていくのか?」

ということです。

人材紹介会社が増え

インターネットの普及により就活サイトや転職サイトが増え

多くの人がより多くの情報を得ることができるようになりました。
でも本当に大切なのは情報量ではありません。

どこを選択すれば得で

どこを選択すると損をするか?

という事でもありません。

自分が仕事とどう向き合い

何を大切に考えて生きていくか

を考えるきっかけが就職であり転職です。

「選択」はそれを考えた結果の答です。

「市場価値」より大切なものが就職や転職にはある。

この先の人生を考え直す貴重な機会なのです。

その事を、就職活動中・転職活動中の方だけではなく

何より人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)である
我々も忘れてはいけない事だと思います。

「自分が自分にならないで

 だれが自分になる」                みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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