ホーム > 社長ブログ > 「リクルートは子会社を食べて生きている。」

社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「リクルートは子会社を食べて生きている。」

「リクルートは子会社を食べて生きている。」
 
今のリクナビネクスト(中途採用媒体)、昔のB-ing(週刊就職情報)、とらばーゆ は、
 
「リクルート情報出版」(通称:JS) という子会社が版元で売っていた。
 
当時は、まだリクルートブック(無料宅配新卒情報誌:現在のリクナビ)が全盛期を迎えようと
 
していた時であり、その商品はリクルート本社の広告事業部門が担当していた。
 
この事業がリクルート発祥の大元であり、保守本流の事業部門である。
 
リクルートは子会社の「リクルート情報出版」が小さな頃は、勝手にやらせておこうという感じだった。
 
せっせと他の住宅情報事業部(週刊住宅情報)や、教育機関広報部(大学や専門学校の宣伝情報誌)
 
人事教育事業部(教育プログラム開発販売)に注力していた。
 
特に、住宅情報事業部(通称:JJ)は、私が入社した頃、大きな伸びが期待されていて大量の
 
同期が配属になった。当時、JJシフトと呼ばれていた。
 
もちろん、「リクルート情報出版」も相当伸びていたので、相当な人数の同期が入社と同時に
 
出向させられた。
 
当時、「リクルート情報出版」の社内の合言葉は、「本社の広告事業部に追いつき追い越せ」
 
であった。
 
「自分たちの力で本社を追い抜いて見返してやろう」 というエネルギーに満ちていた。
 
社風もリクルート本社より自由で、月末に全社目標を達成すると、役員自ら社内で炭火で魚を
焼いて夕方から酒を飲んでいたらしい。
 
中間管理職は次世代の取締役を目指し、若手はマネージャーを目指し、
 
一丸となって頑張っていた。
 
その甲斐あって、みるみる業績が伸びてきた。
 
そして、売上1000億円到達が見え、本社の広告事業部の売上を追い越そうとした時に、
 
リクルート本社から急なお達しがあった。
 
「はーい、本社と合併しなさい。」
 
「リクルート情報出版」の社員たちは、
 
「えー!!ここまで頑張ってきたのに、今までの努力は何だったんだ?」
 
と、モチベーションがかなり下がったそうだ。
 
*当時の新規事業INS(情報通信事業)事業に、お金も人も必要だったから合併したのだろう。
 
この辺からリクルートはおかしくなって、どんどんリクルート事件に突っ込んでいった気がする。
 
現在のリクルートエージェントも「「リクルート情報出版」と実態上同じ道を歩んでいる。
 
小さかった頃は、「そんな会社がグループ内にあるのか?」とか、「人身売買はやめろ」とか、
 
「中途求人媒体事業にとってはじゃまだから、そんな会社は無くしてしまえ」とか言われていた。
 
ところが、1998年ぐらいから大きく風向きが変わってきた。
 
求人情報誌が売れなくなり、リクルートエジェント(人材紹介業)のプレゼンスが大きくなってきた。
 
売上も利益も毎年着実に伸びてきた。
 
お客様からも、「求人媒体だけでは芸が無い。人材紹介と併せて、もっと総合的な企画提案を
してほしい。」 という声が大きくなった。
 
この頃から、リクルートによる「リクルートエージェント乗っ取り計画」が着実に進められ、
 
現在、プロパー社員は最高位でも執行役員どまり、経営ボードはリクルート本社から
 
天下り役員が来るようになった。
 
これは、人材派遣のリクルートスタッフィングも同じである。
 
一つの事業を立ち上げるために、畑を耕し種をまいた人たちは、だいたい40歳ぐらいで
放出され、軌道に乗ったら本社から天下り役員が来る。
 
しかし、世の中を見渡すと、どこの大企業も同じ事をやっているので、何もリクルートが特別な
 
わけではない。
 
まだ、他の大企業に比べると、子会社のプロパーに優しい方だと思う。
 
他の大企業であれば、プロパーは執行役員にもなれないし、社員の平均年収も親会社と
 
大変大きな格差がある。
 
リクルート株も買えるので、コツコツ買えば数千万円の売却益も享受できる。
 
それを考えると、恵まれていると思った方が良い。
 
ただ、これからリクルートの子会社に入社する人たちは、「自分が社長になれる」などと
 
勘違いしない方がいい。
 
夢の無いことを言うようだが、後からわかるよりいいでしょう?
 
「今の内からどうなっても食えるように準備しておいてね」 という意味です。
 
最後に、リクルート本社内での社員間の競争は子会社よりもずっと厳しいので、
 
逆に本社に入社する人たちは、その辺を十分に覚悟しておいてくださいね。
 
今日は最後にフォローのコメントを入れたらから、俺は消されないかな?
 
ヘタレだな。
 
あー、気持ち悪い。二日酔いだ。
 
「名もない草も実をつける いのちいっぱいの花を咲かせて」   みつを
 
合掌。

記事の一覧に戻る

コンサルタントによる転職相談
ご登録はこちら

プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

カテゴリー

アーカイブ

このページのトップへ