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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

会社崩壊!!大リストラの中で左遷される。

「会社崩壊!!大リストラの中で左遷される。」
 
昨日も書きましたが、リクルート人材センター(現リクルートエージェント)が、
 
1991年から1993年ぐらいに経営危機に陥り3年連続大赤字、
 
従業員数が450名から150名に激減するという深刻な状況になりました。
 
そんな中、私は自信もやる気も無くし、毎日を漫然と過ごしておりました。
 
確か電気・電子・機械グループのマネージャーをカタチだけやっていました。
 
その時のメンバーには、今でも申し訳ないと思います。
 
そんな状況ですので、当然業績など上がるわけもなく、メンバーからの評判もすこぶる悪く
 
左遷されました。
 
異動先は新たにできた、ガラクタ管理職だけのCP(キャリアプロモーション)3部と言う
 
わけわからん組織でした。

配属されたのは、人事部長だったTさん、建設・土木・化学グループのマネージャーだったM君、

 
ITグループのマネージャーだったT君、そして私の4名です。
 
この時点ではリストラ対象のマネージャーだったのは明らかです。
 
だって、 「何をやるかも自分たちで決めろ。」 と言われていたんですよ。
 
「早く進退を決めろ。」 という感じですね。
笑えます。
 
でも、この中で若くて能力もあり、まだ有望だったT君は、すぐに社内システムのマネージャーとして
 
異動してしまい、彼はその新システムを立ち上げて30歳で当ても無く独立。
 
しかし、今は起業した自分の会社を立派に上場させています。
 
残った我々三人は、 「とりあえず管理職層の紹介をやろうか?」 という話になりました。
 
Tさんは、有望なオーナー系成長企業に経営幹部を決める。
 
M君は、経理・財務系の管理職を決める。
 
私は、外資・内資含めて通信業界に管理職を決める、と一応の方向性を決めました。
 
Tさんは、この時期の仕事で、ユニクロの柳井代表と運命的な出会いがあり、
 
今では独立されて立派な紹介会社とエグゼクティブ・サーチ会社を経営されています。
 
M君は、この時期から経理・財務系管理職紹介のスペシャリストとなり、今では
 
リクルートエグゼクティブエージェントで活躍しています。
 
私は、最近までリクルートエージェントの人事部長で、当時は法人営業(RA)だった
 
F君に大変助けられました。
 
F君が、AT&T(ルーセント)とか、エリクソン、モトローラとか、通信業界の有力企業の求人を
 
開拓してくれました。
 
そこで出てきたマネージャークラス(年収1000万円以上)の求人を、私がキャンディデートを探して
 
決めるという役割分担です。
 
でも、通信業界の管理職という人が、過去のデータベースの中にほとんど存在しませんでした。
 
そこで、F君と一緒に胡散臭い名簿屋さんに、学会名簿や通信系の企業名簿などを買いに行き、
 
その中からキャンディデートをあぶり出す事から着手しました。
 
これは今思い出しても、登録型紹介とは違う意味で大変おもしろい仕事でしたね。
 
サーチとかスカウト活動は、キャンディデートがリクルートグループのお客様企業に在籍されている
 
可能性が極めて高いので、社内では禁止されていましたが勝手に動きました。
 
具体的には電気情報通信学会の名簿の中で、35歳から45歳ぐらいで、N(日本電気)、F(富士通)、
O(沖電気)、H(日立)に在籍中の管理職対象に、ちょっと変わったDMを打ちました。
 
DMの内容は企業秘密とさせてください。

結果は、2000通送って返信が200通!!

 
胡散臭いDMとしては凄い返信率でした。
 
そこで私は、返信していただいた人材に対して、土日に自宅からアポ取り電話を
1年近くかけ続け100人程度の方々とお会いする事ができました。
 
皆さん、東大、東工大、早稲田、慶応など理系のエリートばかりです。
 
技術的な話をしても仕方ないし理解できないので、そんな話には適当に相槌を打ちながら
 
:「ここに来て私とお会いいただいたのは、現状に100%満足できないことがあるんですね?」
 
という話をして、そこを深く伺うようにしました。
 
接触さえできれば、登録型もサーチ型も 「そんなの関係ねー」 です。
 
「転職理由に話を集中させる」だけです。
 
登録型よりも手間はかかるし、フォローも長期間に渡りますが、なんかワクワクしました。
 
明らかなメリットは、下記のような事です。
 
1 ご紹介したら、ほとんど内定する。
 
2 FEE(成功報酬)が高い。
 
3 高いポジションで入社されるので、その後のクライアントとのリレーションも濃くなる。
 
4 優秀な知人・友人ををご紹介していただける。
 
内定されたNECのバリバリの管理職の方と、お祝いの会食をした時に励まされました。
 
「武谷(たけや)さん、私の部下にもアプローチしたでしょう?
これからも、どんどんやってください。
優秀な人材が、飛び出す勇気が無くて、たくさん腐っていくんですよ。
私を何度も慰留した取締役も、最後はあきらめてこう言ってました。
『そうか、やっぱり転職するのか? 仕方ないなー。俺ももう少し若い時はいろいろ誘われたけど
今思えば君みたいに飛び出せば良かったかなー。頑張れよ。』と。
武谷(たけや)さん、できるだけ世の中を揺さぶってください。
埋もれた優秀な人材に新たな活躍の場を提供してください。
それが貴方の使命ですよ。」
 
サーチ活動のポイントはできるだけ狭い業界に絞る事ですね。
 
インフラ系の通信なら通信。色気を出して隣のIT業界などに手を広げたら失敗します。
 
業界が狭いほど、点が線になり、線が面になりやすい。
 
大きな業界では、そうなりにくいですからね。
 
結局、手を広げると無駄が多くなるばかりで成果が上がりません。
 
この辺は、私の師匠の栢野(かやの)さんの、ランチャスター経営塾にでも行かれてみてください。
http://yumesenkan.jp/modules/myalbum/photo.php?lid=37
 
こんな感じで、久しぶりにプレイヤーをやって仕事を気楽に楽しめたのは良かったです。
 
やはりこの仕事はおもしろいと、少し元気も出てきました。
 
また、左遷されている内に脇から他のマネージャーのマネジメントを客観的に見ることが
できたのも良かったです。
 
素晴らしいリフレッシュ期間でした。

左遷してくれた会社と、励ましてくれたお客様、そして、助けてくれたF君に感謝します。

 
ありがとうございました。
 
「途中にいるから中ぶらりん 底まで落ちて地に足が着けば ほんとうに落ち着く」    みつを
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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